光源の運転モード

今期の光源運転モード

2017年4~5月期の運転モード

ユーザー運転期間

PF:4/10~5/15
PF-AR:4/12~5/15

PFリング

SuperKEKB立ち上げのため、PFのTop-up運転は実施されません。

最大450mAストレージモードでの運転になります。入射器のスタディがない場合はTop-up運転に切り替わる場合があります。

入射タイミングは8:30、18:30、01:30の1日3回です。入射時にMBSは閉まりませんので実験は継続可能です。

PF-ARリング

最大55mAストレージモードでの運転になります。

入射タイミングは8:30、18:30、01:30の1日3回です。入射時にMBSが閉まりますのでご注意ください。

PFの運転モード

PFのストレージリング(周長187m)の通常運転モードは、電子2.5GeVマルチバンチのTop-up入射 運転となっています。その他のモードとしては、電子バンチフィルパターンの異なるハイブリッドモード、Top-up入射を行わないStorageモードが あります。
過去には陽電子での運転、3GeVでの運転、シングルバンチモードでの運転も行われていましたが、現在は実施されていません。

電子2.5GeVマルチバンチ運転

ラ イナックで2.5GeVまで加速された電子は、2.5GeV PFリング(シンクロトロン)に入射・蓄積されますが、電子はPFリング内のどこにでも存在できるわけではなく、うまく周回することができるポイントが決 まっており、バケットと呼ばれます。PFリングの場合は1周で312個のバケットがあります。バケットの間隔は2ナノ秒で、1つのバケットが1周するのに 624ナノ秒かかります。マルチバンチ運転では、この312個のバケットのうち、連続する280個のバケットに電子を詰めて周回させます。バケットに詰め られた電子の集団(かたまり)を通常「バンチ」と呼びます。バンチの電荷量は制御することが可能で、マルチバンチ運転の場合は全体で450mAの電子ビー ムとなるように調整されています。

電子2.5GeVハイブリッド運転

マルチバンチの項で記述したとおり、放射光は連続光 ではないため、この特徴を生かしてカメラのフラッシュ撮影のように時間分解測定を行うことができます。1バンチからの放射光の発生時間(発光時間)はバン チの長さに依存しますが、約200ピコ秒程度であるため、最短で数百ピコ秒程度の時間分解能が達成可能です。しかしながら、マルチバンチモードではバンチ 間隔が2ナノ秒と短いため、バンチを正確に区別して測定することが困難です。また、1バンチの電荷量が小さいため、繰り返し測定などでS/Nを稼ぐといっ た工夫が必要でした。そこで、312個のバケットのうち1個のみに電子を蓄積し、電荷量も限界まで詰め込むというシングルバンチ運転モードが過去には実施 されました。その際は放射光の間隔は624ナノ秒で、50mAの電流値でした。近年になり、計測器の高度化やビームを選別するためのチョッパーなどが開発 され、シングルバンチ部分のみを選別して測定することが可能になってきました。そこで、シングルバンチ運転で使用していなかったバケットにも電子を詰め て、シングルバンチモードが不要なユーザーに対してはマルチバンチモードと同様の強度が得られるような運転モードとして、ハイブリッド運転モードが設定さ れました。これはリング1周のうち半周をマルチバンチモードのようにバケットを電子で埋め、400mAを確保します。残りの半周のうち中央の1バンチにの み50mA分のシングルバンチを立てます。XAFS実験の場合はシングルバンチ部分を切り出して使用することは通常ありませんので、400+50で450mAのマルチバンチ運転のように利用できます。ただし、原理上シングルバンチから出てくる放射光は通常のマルチバンチの時よりも高フラックスになりますので、フォトンカウンティング型の検出器(SSDなど)は数え落としの状況が変化する可能性がありますので注意が必要です。

Top-up入射モード

蓄 積型のストレージリングでは、加速時のロスなどで徐々に蓄積されている電子の数が減っていきます(電流値が下がる)。そこで、どこかのタイミングで減った 分の電子を補充してやる必要があります。2008年までは、継ぎ足し入射を行う際には一旦チャンネルクローズ(放射光を止める)を行ってから実施していま したが、入射技術の向上により、チャンネルオープンのまま(放射光実験を継続しながら)の継ぎ足し入射ができるようになりました。現在は蓄積電流値を常時 監視し、ある値以上(約0.5mA)電流値が減った際に、継ぎ足し入射を行い、常時450mAの蓄積電流値が維持できる運転モードとなっています。これに より、放射光実験では、常にX線強度が一定になることと、加速器やビームラインの光学素子への熱負荷が一定になることからビームが安定するといった効果が 期待されます。一方で、不定期に入射が実施されますので、QXAFSなどで高速測定を行っている際には入射X線強度が跳ね上がる現象を観測することがあり ますが、XAFSの場合、試料の状態に問題がなければスペクトルに影響が出ることはありません。

Storage運転モード

一 方で、ライナックのメンテナンス等で、Top-up運転が実施できない日などは、常時継ぎ足し運転は実施されず、1日に2回もしくは3回の入射による Storage運転モードになります。この運転モードの際には蓄積電流値が徐々に小さくなっていきますので、それによってX線強度も弱くなります。1日2 回入射モードの場合、入射間隔は12時間となりますが、この間に蓄積電流値は450mAであったものが約300mA程度まで減少します。よって、入射直前 の時間帯ではX線強度が約30%減少します。微量試料の蛍光測定などではそれだけ検出器でのカウント数が減りますので注意が必要です。

PF-ARの運転モード

PF- ARのストレージリング(周長377m)は6.5GeVで運転されています。2016年の直接入射路工事により、ライナックから直接6.5GeVの電子を入射できるようになりました。今後、Top-up運転に向けた準備を置こう予定です。現在は常時Storageモードでの運転となります。

電子6.5GeVシングルバンチ運転

PF- ARの最大の特徴として、世界で唯一常時シングルバンチ運転を行っていることがあげられます。したがって、時間分解実験等に威力を発揮します。バンチ間隔 は1.26マイクロ秒となっています。蓄積電流値は50mAで、加速電圧が高いことから、高エネルギー域での実験に適しています。一方で、PF-ARで低 エネルギー成分を通常の分光結晶を用いて取り出す場合は、高次光成分を除去する工夫が必要となります。

PF、PF-ARの運転モード組み合わせ

2015年4月現在、PFおよびPF-ARの運転モードは次のように運用されています。

PF

電子2.5GeV マルチバンチ 蓄積電流450mA Top-up入射モード

通常の運転モードです。特に連絡が無い場合、この運転モードになります。

電子2.5GeV マルチバンチ 最大蓄積電流450mA Storageモード

ライナックスタディ日(通常水曜日)での運転モードです。昼間のみ、全日のパターンがあります。ライナック側の作業進捗によりますので、当日の情報を確認ください。
一日2回もしくは3回の入射が実施されます。

電子2.5GeV ハイブリッド 蓄積電流50+350mA Top-up入射モード

ハイブリッド運転期間中の通常モードです。各期ごとに1~2週間の期間でハイブリッドモードが設定されます。

PF-AR

電子6.5GeV シングルバンチ 最大蓄積電流55mA Storageモード

通常の運転モードです。PF-ARでは現状唯一の運転モードです。
一日2回もしくは3回の入射が実施されます。

その他運転モード

挿入光源の種類によっては挿入光源のモード変更時に電子ビームの軌道に影響を与えるものがあり、そのようなモード切替の際には事前に連絡があります。
具体的には

  • 偏向面の切り替え
  • スイッチング運転のOn/Off

などのアナウンスがあります。これらの切り替えは通常積み上げ入射時に実施され、作業内容によっては一時的にチャンネルクローズになりますのでご注意ください。
直近の運転予定はこちらをご覧ください。
PF・PF-AR週間運転予定

 

実験に関すること等、お気軽にお問い合わせください。

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